東京うろうろ
エサを与えないで下さい
漫画的シチュエーションの実体験
まずはここを見られたし
http://d.hatena.ne.jp/neodenjin/20050609
うわあ、すげえ、こんなことが本当にあるんだ!
ちなみに、ワタクシ的に体験した漫画的シチュエーションとしては、
スキー場で木に正面衝突
というのと、
余所見していて電柱に衝突
というのがあります。どっちも余所見の原因は見ず知らずの女性だったがな。
スキーはね、痛かったよー、股間。木から雪も落ちてきたから完璧!(何が?)
東京大学総合研究博物館小石川分館「グローバル・スーク」
10時に目が覚めた。珍しい。そんなに疲れていたつもりはないのだけれど。
家でのんべんだらりんとして、2時前に出掛ける。東横線で渋谷まで出て、湘南新宿ラインで池袋、丸の内線に乗り換えて茗荷谷。東京大学総合研究博物館小石川分館を2度目の訪問。前回の訪問は
小石川から秋葉原、銀座 - 日毎に敵と懶惰に戦う
の時で、今回は以下が目当てである。
国際協働プロジェクト「グローバル・スーク」展
本プロジェクトは(中略)世界各地の人々から寄せられた様々な人工物を観覧に供することで、人間の有する造形感覚、表現手法、価値体系がいかに多様であり、その多様性を相互に認め合い、結び合う寛容さこそが、現代社会に分断をもたらしている言語、宗教、文化、人種の隔てを克服する上でいかに大切であるかを、視覚的かつ悟性的に理解させるためのものである。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/real/tokubetsu/2005GlobalSouk/
どういう内容のものだか判然とせず、公式サイトもろくろく見ずに行ってみたら、これが大当たり、というか大爆笑だった。だってあなた、いきなりこれですよ。
もともと、小石川医学校の建物を改装して、様々な標本を展示してある素敵施設なのだが、そこに『世界各地の人々から寄せられた様々な人工物』が一緒に展示されている。この『様々な』が曲者で、印刷用の活版のような価値がありそうなものはまず稀で、海岸の漂着物的な「いかにも」なものも一部。日用品の類、仕事の道具、そのつもりで作った芸術作品、チラシで折った折り紙、おもちゃ、なんでもかんでも人工物ならやりたい放題である。
さっきのような半ば冗談、小学生が教科書の著者イラストにいたずら書きをするような感覚の展示から、梶井基次郎のレモン的な、それを置くことで空間の異化を狙ったもの、あるいは建築模型の横に建築模型を置かれるとなんだか意味不明になり、あるいはもとの標本と組み合わせることで美術作品としてなにかを訴える水準にあるもの、タイプライターに敷物が敷いてあったり、とにかくなんだかよくわからない。
元の模型の展示からして「見栄え」に拘った珍しい資料館であるところの上に、さらにいろんな人工物が加わることで、混沌の極みになっている。どうやらWEBサイトと連動させた企画であるらしく、私もこれから見てみようと思うが、とにかく現物が非常に面白いので是非見てみるべし。
ただし、私は本来のこの博物館の姿を前に見ている(本来、という言い方には語弊があるだろうな。今回の企画展をやる前の姿、という意味だ)ので、それとの比較で楽しめる部分があったのだが、最初に今の状態を見ると何が何だか訳がわからないかもしれない。
ギャラリー・間「佐々木睦朗展 FLUX STRUCTURE」
軒先から眺める庭=小石川植物園は緑もいよいよ濃く、ベンチで暫し休んでから出発。茗荷谷駅に戻り、後楽園、溜池山王と乗り継いで乃木坂に下りる。ギャラリー間の「佐々木睦朗展 FLUX STRUCTURE」へ。
佐々木さんは構造の人で、せんだいメディアテークとか金沢21世紀美術館の構造を担当した人。壁や柱を極力省いた構造物や、曲線を多用したデザインの構造物を、数学的な解析で現実化する人だ。特に、構造にかかる負荷を分散化、均一化させる過程を進化論的に追及して…と書きながら自分でも理解していないのだが、とにかく「最も強い形を追求したらハニカムになった」「最も美しい形を追求したら黄金比になった」的に、有機的な建築物を作り出しちゃう人だ。わからんけど。
構造の解析の過程と、それによって形成される(進化する)形態の変遷が大層おもしろいが、近所の工務店のおっさんに施工を頼んだら、「危ないから床と屋根をまっすぐにしてやったよ。ついでに柱も余分につけといたから」と言うような悲しい事態になりそうで大変結構であった。同じ建物内の書店で、買おうと思いつつなんとなく躊躇していた「建築MAP東京mini」を購入。
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ロバート・キャパ写真展
ついでに六本木ヒルズの展望台のロバート・キャパ写真展が今日からなので見物。相変わらずMAM会員証の威力で無料也。ヒューレッド・パッカードとのタイアップ企画らしい。ロバート・キャパの有名な白黒写真の他に、カラー写真が満載で珍しかった。特に1954年の日本のカラー写真は、想像する以上に色鮮やかで町並みは綺麗で、これが1954年?と驚くような内容だった。
戦前や戦中、戦後すぐ時代に対する私たちのイメージ、すなわち、暗い時代というイメージは、写真が白黒であることも影響しているかもしれない。頭の中では「色溢れる世界」であることはわかっているはずなのに、白黒写真からそこまでの想像が及ばなかったり、あるいはそもそも、カラーにしても、くすんだ色に支配された世界を創造しているかもしれない。たとえば、こんなものもある。
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展望台からの眺めは、雨上がりの夕方らしい、美しいものだった。
免許無ければ半人前
折りたたみの傘でも買おうと六本木ヒルズをうろうろしてみたが、某店でロゴ入りビニール傘が3000円で売られているのを見てすっかり萎えて、トボトボと地下鉄に乗って中目黒、東横線で綱島へ戻る。
久しぶりにビデオでも借りようかと、TSUTAYAへ。会員証はとっくに切れているが、いざ身分を証明する時のために、パスポートまで持ってきたから抜かりは無いのだよワトソン君。
「ロスト・イン・トランスレーション」とヴィム・ベンダースの「東京画」を選んでレジに行き、「期限が切れているので身分を証明するものをお持ちですか」と尋ねるので自信満々に、しかしおずおずとパスポートを差し出すと、これだけでは駄目と言う。にゃんですと。他に、住民票の写しか公共料金の領収書かその他が必要だと。
ひとつだけで身分が証明できるのは、免許証、障害者手帳、福祉に関する証明書、外国人登録証明書、住民基本台帳カード(写真入り)、市町村の発行する身分証明書のいずれか。ただ「免許証」とあるので、「無線従事者免許証」なのか「調理師免許証」なのか「動力車操縦者運転免許証」なのか「運転免許証」なのか不明だが、多分どれでもいいのだろう。しかし私はどれも所持していないし、横浜市在住で住基ネットへの接続を最初に拒否したりしているので(今どうなっているかは知らない)、当然住基カードも所持していない。
どうやらこの国は、健康な日本人は免許証を持っていて当たり前らしい。
そんなわけで、結局何も借りずに帰ってきた。別に一私企業の方針に文句をつけるつもりもないし、借りなければいいだけの話だけなのだが、免許証よりもパスポートの地位が低いこと甚だ驚愕ではあった。