日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

ローリー・アンダーソン「時間の記憶」

プールから出て、区役所前まで出て、今度はバスの人となる。このバス

ハチ公バスは渋谷区のコミュニティバスで、前々から渋谷から恵比寿へのルートは運行されていたが、笹塚方面は去年の秋から新設されたという。今日はこちらに乗って、新国立劇場まで乗ったが、制動のアタックが強すぎて、乗り心地悪し。運転手の問題?
オペラシティの地下のTEXASでステーキのランチを食べ(ここの味が濃くてなんとなくアンダーグラウンドな雰囲気のステーキ、結構好きなのだ)、閉館が噂されるICCローリー・アンダーソン「時間の記憶」展へ行く。
彼女はパフォーマンス・アートの第一人者、ということなのだが、私は寡聞にして知らなかった。まず、展示のボリュームに圧倒される。映像作品、実際に体感できる作品、ドローイングなど多岐にわたる。常識とは違ったやり方で音に触れたり、体を使って音を出したり、なんというか、イメージの中の正しいパフォーマンス・アート、現代美術を体現している印象。
実はこのとき、泳いで飯食ってかなり眠かったのである。その眠い状態で、受話器を取り上げると聞こえてくるさまざまな物語、真っ暗な空間で三次元空間を意識したスピーカーから聞こえてくる音、まくらに耳をつけると聞こえてくる物語、左右から吹く風に本がめくれるのを任せるのでなかなか先に進まない物語、精神科医との対話、机に肘を突いて手を耳に当てると頭蓋骨が共鳴して聞こえる音楽…。自分が夢の中に居て、自分の意のままになる空間のはずなのに、そうできないもどかしさ、自分が自分のまま自分から離れて観察しているような感覚、夢うつつ、うつつと夢。幻想的で濃密な時間をすごし、時計を見たら1時間半ほど経っていた。これ、非常に面白いですよ。