日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

もうひとつの五味太郎、主婦の生活

オペラシティに別れを告げて、山手通りを南下する。首都高速中央環状線の工事が進んでおおり、さまざまな建設機械が稼動する様を眺めながら散歩。渋目陸橋のところから旧山手通りに入り、246を超えると、途端に代官山なおされな町並みになり、西郷山公園で一休みしたあと、ヒルサイドフォーラム「もうひとつの五味太郎」。
五味太郎の作品で、書籍になっていない画、および、画以外の作品の展示。「五味太郎ANNEX」と称していろいろ商売を拡げていこう、ということらしい。作品は、五味太郎です。五味太郎好きな方はぜひどうぞ。作品そのものはいいんだけれども、金持ちのオハイソな母娘が来て、娘が「やさしい気持ちになれました」みたいなコメントをノートに残したりして、それから画廊の人間と神妙な面持ちで話している、みたいな雰囲気がなんかヤダ。
んで、旧山手通りを通り抜けて、坂を下ってミズマ・アート・ギャラリー。こっちは対照的にボロい雑居ビルの一室。岡田裕子展 「主婦の趣味」
平凡な、普通の団地に暮らす主婦が、テレビで流れる「雨に唄えば」をみたとたん、スイッチが入ってしまい、街に飛び出して踊り狂って、そして自殺するまでの映像作品を中心に展示。映像作品はワイドショーでのレポート、という形式を取るのだが、何度も「普通の」「どこにでもいる」という表現が繰り返されるのが印象的。だけど、紋切りであんまり面白くなかった。むしろ、主婦の仏壇や絵のほうはいい。ちなみにこの映像作品は、主婦の生活の悲哀、みたいな、ようするに高石友也の「主婦のブルース」的なことを訴えたかったのではない、そういう作品では無い、と思う。
中目黒から電車に乗り、美容院に寄って、帰宅した。