日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

黄金町バザールで林新市長を見るのこと

日曜日。6時におきて、なんだかんだと仕事を片付ける。昼過ぎ、うん、まあ目処がついたので、ちょっと出かけよう。
9月1日から、また黄金町バザールが始まっている。昨年、横浜トリエンナーレに合わせて、かつてはちょんの間の密集地帯だった黄金町周辺で、『アートで町おこし』を目当てとして黄金町バザールが開催された。
横浜トリエンナーレ 関連イベント早足レビュー - 日毎に敵と懶惰に戦う
今年も、昨年に続いてイベント。去年作られた日の出スタジオ、黄金町スタジオなども現存しているし、新たに使われていない建物が活用されたりしている。
黄金町エリアマネジメント∥黄金町バザール2009|KOGANECHO BAZAAR 2009∥
どんな企画があるのだろう…と案内所を訪れたら、たまたま、サポーター(ボランティア)の人の研修がありますから、一緒にどうですか、と連れて行ってもらった。本年は、横浜市とリヨンの友好都市を生かして、フランスからの招待作家が作品の制作をおこなったりしているそうな。最初に訪れたのが、1の1スタジオ。黄金橋にほど近い、裏道にある、変哲の無い建物

これもやはり、かつてはちょんの間だったところなんでしょうね。1階に形ばかりの飲み屋、2階には事に及ぶ狭い個室が2つ。この建物に“遺されていた”ものを使ったインスタレーションが印象的


それにしても、アバウトな料金表だな…

もう一つ、隣の建物では映像の上映をしていたけれど、いずれも同じような間取り。さて、大岡川の川沿いを歩いて、次にAスタジオHINODEへ。目の前に不思議な建物

目的地はこっち

実はこの建物、かつてはオウム真理教道場にしていたらしい。階段を上っていくと、なにやら迷路のような狭い通路の先、自分がクローゼットから出てきたことに気がついて唖然とする(意味がわからないでしょうが、行ってみるとわかる)。その部屋には発泡スチロールの塊、そこに穿たれた穴

その中には…

ご自分で入って確かめてみてください。その中の様子よりも、穴倉から出てきて一人、黄金町の街と日ノ出町の駅をぼんやりと見た時、なにやら茫洋とした気分に襲われて、絶望的なような、安心するような、すべてから取り残されたような、不思議な感覚に支配される。


ここから見る夕日は、どんな気分だろう

いくつか見どころがあるけれど、作品に期待して…というよりも、渾然とした…いまだに警察官が真昼間から巡回しているような、寂れているようでどこかに変な緊張感のある街の雰囲気を味わうつもりで、訪れて欲しい。土日祝日にお願いします。


さて、大岡川の船着場にはくじらは浮いて

夕方から、日ノ出スタジオで、黄金町バザールのオープニング

一週間前、僅差で当選したばかりの、林文子新市長も挨拶。

市長さん、ごあいさつのなかで、かつて自分がダイエーにいたころに歩いた東陽町は、同じような状態の街でしたがとにかく寂れてしまって、それにくらべてここは奇跡のような…なんてことを言っていた。そのほか、松沢知事の代理の人と、県警の本部長も挨拶していた。黄金町の浄化作戦は、県と市と県警が、相当力を入れてやっていましたからね…。ちょうど、BPAの人のツアーもクルーズも通りましたよ

YOKOHAMA Canal Cruise | BOAT PEOPLE Association
ごあいさつ終って乾杯…はて、乾杯って言われても…と思っていたら、そのへんの通行人の人にも缶ビールが配られて、まあ乾杯乾杯。警官に囲まれてこんなところで乾杯、なんだか不思議なお祭り空間。やがて日は暮れゆくのでした


街が祝祭空間になったような、警察の強く強く管理された逆ゲーテッドコミュニティのような、とにかく、そんな街、黄金町。
恰幅の良い彼のblog  -  「黄金町バザール 2009」 地味に開催中です
このレポートも大変良かった。この方の横浜情報はいつも信頼がおけます。