日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

談志…なあ…

まず、MXテレビの英断と立川談志の英断に感謝したい。本当に。大晦日に芝浜をノーカットでやる勇気。そりゃあ、MXだから出来たんだろう、という声はごもっともだが、それにしても良くやった。ありがとう。
そのうえで。
うーーーーーーーん。どうだろうなあ。悪くは無い。決して悪くは無いが。時間短かったか、やはり。1時間(賞味50分ちょっと?)では、時間が短かったのか。あきらかに「なぞっていた」。談志は、まあ、素晴らしいときと酷いときの落差が激しい。そして、今回が特別「酷い」わけではない。だけど、酷いときは酷いなりに「談志」なんだ、談志は。しかし、今回は、明らかに、印象として「なぞっていた」んだ。
そりゃ、結構ではあった。十分にそれなりに、うん、よかったよな、というレベルで結構ではあった。だけど、なあ、という。
ある意味、談志の真面目さ、芯の部分の真面目さがこう作用したのかな、とは思う。「悪いなりの談志らしさ」に向かうことも可能だったはずで、そして本当の意味で良くはない、と思った時点でそういう方向に行くんじゃないか、と思わせる談志において、物凄く真摯に芝浜をやった。テレビでノーカットで落語、という舞台を意識して?
いや…これまでの談志だったら、それをして「真摯」とは認識しなかった、少なくともそれをして真摯であるとは表明しなかったはずだ。いやまあ、今回もそんなことは表明してないけどね。俺の受け取り方として、ね。そうじゃねえ、俺はそうじゃねえ、いちいち客との真剣勝負なんだ、談志がどうだったか、それを見てもらう勝負だ。そういう態度を取ったんではないか。それが、今回、真面目に芝浜をやり通した。どういうことなんだろう。
わからん。しかし、なあ。
ともかく、こういう場を設定したすべての人に感謝したい。その気持ちは変わらない。