日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

国立新美術館『ARTIST FILE 2008』現代の作家たち

国立新美術館は、大向こうの受けの良い企画展がやっていないので、比較的空いている。レストランも程よく空いていて、これぐらいで並ばずに済むなら素晴らしい環境の店だなあ。そのうち、3階のレストランは来なければ
そんなこんなで、今日のお目当ては『アーティスト・ファイル2008』という、モダンアートの企画展。今後、特に決まったテーマを設けることなく、毎年開催するそうだ。開館記念展の最後のコーナーがそのまま継続されるようなイメージか。
で、今回の展示、とにかくさわひらきが素晴らしいのだが、それはおいておいて、まず白井美穂。『西洋料理店山猫軒』は、注文の多い料理店の文章が書かれた扉を、その指示に従いながら順に通っていくビデオ作品なのだけれど、その扉が、妻有の松代に展示されている作品。そして、別の映像作品、マルセル・デュシャンの『創造行為』を読み上げなながら流れる映像は、牛島達治と丸山純子がBankARTで製作する風景だったり、横浜の路上で行われるパフォーマンスだったり。妙にご当地ネタが多く、作品云々の評価とは違う部分で楽しめた。
ポリクセニ・パパペトルーの写真。おお。これは…。ちょっと、町田ひらくに伝えたい!なんという良いロリショタ…。いや、すまん、なんでもない。なんでもないけれど、しかし、町田ひらくの作品世界を実写にできるとしたらまずこの人だ、と思った。いや、別に、児ポまがいでは無いのよ、ぜんぜん。ぜんぜんないのだけれど、妙に背徳的だ…
http://polixenipapapetrou.net/
そして、さわひらき。暗い空間にばらばらにおかれたスクリーンで繰り広げられる6つの映像。それはそれぞれ、さわひらきならではの幻影的なものなのだけれど、それぞれ傾向は異なり、そして相互の関連はない。だが、その、一度にすべてを視界に入れることができず、いくつかの組み合わせで視界に入ってくるスクリーン。それぞれに変容する幻影の間に立ち止まったり、あるいは歩き回りながら見回っていくと、鑑賞者の中に、融合された、一回性の体験における、人それぞれのイメージが実態として現れる。これはすごい。1枚のスクリーンの映像では決して得られない感覚、高揚。これはゼッタイ、会場で見るべきだ。これを見るためにもう一回行っても良い、そう思った。
http://www.nact.jp/exhibition_special/2007/artistfile2008/index.html

それから、六本木ヒルズへ。国立新美術館から抜ける道の途中に、良い感じのカフェがあったのでこんど寄ろう。森美術館の会員証を更新。また、来月のアートフェアの招待券をくれた。今度こそ初日に行きたい…。
美術館の中の売店で、前から欲しかったアンドレアス・グルスキーの写真集が安値で売られており、大喜びで購入。

Andreas Gursky

Andreas Gursky

そのまま、中目黒経由で帰宅する。